神戸看護学会は、2016年4月、神戸市看護大学の教員・同窓生の発案のもと、神戸市民病院群の看護部のみなさまの声援に支えられ、設立の運びとなりました。
 現在、国内に看護系学会あまたある中で、正直なところ、なぜ今さら学会かという意見もなくはありませんでした。けれども、ここ神戸の地には、市立看護専門学校時代から脈々と受け継がれてきた、実践と学問とをごく自然に融合させてきた歴史があります。看護倫理と専門職業人としての使命にもとづき、常に看護の開拓者たれと自律の精神を重んじてきた文化があります。そして、震災からの復興とともに歩んできた神戸市看護大学は、常に地域住民の方々と、「共に創り、共に学ぶ」教育活動を推進してまいりました。
 こうした歴史と文化を共有する者同士だからこそ、他の学会とは一味違う、われわれの歩みを結実させた学会を作り、神戸の地から全国に、そして世界に発信したいという思いをもって本学会を立ち上げるに至ったのです。
 今年で発足4年目を迎えますが、これまでに学会の主たる活動として、年に1回の学術集会の開催と、学会誌の発刊を軌道に乗せてまいりました。学術集会では。広く地域の看護職者の方々から演題やシンポジウム、交流集会への参加が得られ、学部卒業生の研究演習の成果発表の場も設けることができました。学会機関紙である「神戸看護学会誌」は、投稿・査読システムの安定した運用ができるようになりました。今後ともぜひ学会誌を、会員のみなさまの成果発信の場としてご活用いただきたく思います。

 今日、少子高齢化と人口減少の進行の中で、わが国の社会保障制度は大揺れに揺れています。加えて、グローバル化や科学技術の進展は、人々の看護ニーズや看護職者の働く環境を、今後さらに大きく変えてゆくことでしょう。神戸看護学会は、こうした時代の変化に対応し、人々の健康と豊かなくらしを支える看護実践に貢献すべく、会員のみなさまと共に学術活動に取り組んでまいります。
 まだ会員数200名足らずの小さな学会です。駆け出しゆえに、会員サービス等で至らぬ点もあろうかと思いますが、どうか厳しくも温かい目で見守ってやっていただければ幸いです。今後の展開を楽しみながら、小粒でもピリリと辛い、個性豊かな学会を目指してまいりましょう。会員のみなさまのご協力と参画を、心よりお願い申し上げます。

2019年4月
神戸看護学会理事長 林 千冬